心配ご無用

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小さい頃からずっと絵描きになりたかった。
美しいと思うものを生み出し、それに触れていたいという純粋な欲求。
そしてその欲求のままに行動してきました。

小さい頃はよかった。
周りも手放しで褒めたたえてくれました。

だけどある時を境に、手のひらを返したような反応が返ってくるようになります。
反対と妨害が雨あられと降り注ぎました。
それは社会人としての進路を決める頃でした。

絵描きでは食べていけないから。
貧乏は社会的敗北ってなところでしょうね、わかります。
わかるけどそれは違う。(と、今なら言えます)

しかし今となっては、その反対や妨害が何の役にも立たなかったことに驚いています。
私にとっての色鉛筆や絵の具が、樹木や植物の小さな苗に変わった。
そう、ただそれだけだったんです。

私には離れて暮らす息子がいて、今とある資格を取ろうとしているらしい。
その彼がポロリと口にした本音がありました。

自分は今まで一度も挫折と呼ばれるものをしたことがないと思う。
だからもし挫折を経験したら、心が折れてしまうんじゃないかと怖くなる時がある。

驚くほど素直な息子の言葉です。
気の利かない鈍感な母にはとてもありがたい。

折れてしまった時どう立ち上がるのか、なんて教えてあげられないけど。
自分の中の純粋な欲求は何の力を以てしても消すことはできないから。
まだ見ぬ障害を取り除くのではなく、その道の険しさに向き合う覚悟を。

君ならできる。
なんて言わないけどね。

なぜ怖れを封じ込めようとするのか

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パリで起きたテロによって、いろんな人のいろんな持論が発信されていますね。
こういった悲惨な事件は感情を強く揺さぶってきます。
ひとつの側面からでは到底推し量れない問題には、理性を以てして本質を見極めなければ…と思います。

例えばこの記事。

www.franceplusplus.com

とても美しい話として取り上げられてどんどん拡散されているけれど…。
植物を愛する庭師として、私は何とも言えない気持ちになった。
どうしてこんなにもやもやするのか…ついさっきわかったんです。

だって花には戦う力なんてない。
持つ手が善人のものか悪人のものかも関係ない。
そこにあるのは圧倒的な癒しの力だけ。
そしてあの花は、突然に無慈悲に奪われた命に向けて、どうぞ安らかにと祈る依代であるだけなのだ。

憎しみ合うことは問題の解決から最も遠ざかる手段であるということを伝えるために、花を武器に見立てたのだろうけれど、それならばまず『戦う』という概念からして間違っていないだろうか。

それにこの男の子の恐れは正しい。
誰だって突然殺されたくはない。
全然大丈夫じゃないのに、大人の道理の通らない理屈で封じ込められた恐れの感情は、いったいどうなってしまうんだろうなあ。
もし我が子であるならば、私は何て言葉をかけるだろうか。

お母さんも怖い。
だけどあなたのことは命を懸けても守る。

たぶんそう言うんじゃないかと思う。
そしてぎゅっと抱きしめると思う。

まだ本気出してないだけ

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懐かしきヒヤシンスの水栽培。
ミッドナイトミスティックとデルフトブルー。
(どちらがどれだったか忘れました)
芽を出す前の球根から、びっしりと発根しているのがよくわかります。
その根は白く透き通っていて、それはそれは美しいんです。

この歳になると社会の中で自然と指導的な立場におかれるようになってきますね。
看護教育に携わっていた頃に言われたことがあります。
学生の出来が悪いと愚痴をこぼすことは自分の力不足を露呈しているのと同じことだと。
確かにそうだなあと思っていました。

だけど自己評価がとても高くて困る人たちというのも存在します。
『周りが正当に評価してくれない』
『自分の実力はこんなものじゃない』
そういいながら現状への不満をにじませる。
原因を内ではなく外に求めるばかりの印象を受ける人たち。

芽が出ないのは本当に周りのせいなの?

ちゃんと根を張ろうとしている?

根っこがちゃんとしてないと綺麗な花は咲かないよ。

でもその人たちを非難していてばかりでは、結局堂々巡りなんですよね。
私たちも豊かな土壌に、清潔な水になろうと努力しなきゃならない。
そこで初めて正当な評価というものが生まれるのかな。
ってなたいそうなことを言っていても、私もまだまだ未熟者ですが。
今、そんな彼らを気づきに導くにはどうすればいいのかなあと思案しているところです。

あと2年夢を追え!

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ガウラが冬越しに向けての下葉を出し始めたので切り戻しを行いました。
来年の開花に向けて春までこの姿で厳しい寒さを耐えます。
そして時期が来れば一斉に新芽を伸ばし始める。
それはもう眠りから覚めるという表現がぴったりなのです。

今回のブログタイトルは優しくて懐かしいメッセージ。
まだ私が看護学生だった頃の、むかしむかしのお話です。
地元の小児病院付属の看護学校に通っていました。
大規模な病院の統廃合が行われて、私たちが最後の学生。
卒業と同時に閉校を迎えるために、おそらくは特別な思い入れを持って育てられたように思います。

そんな中、私たちに呼吸器疾患を教えてくれたNドクター。
(たしか小児喘息治療が専門でいらしたと記憶しています)
わかりやすく、かつ面白く。
かなり攻める授業内容で、新生児モデル人形を使って挿管の仕方まで教わりました。
ナースですし、その技を使う機会はないんですけど…。
その先生が開業に伴い、私たちの卒業を待たず退職されることになった、その最後のテスト問題。

問) 次の選択肢より(   )内に入る言葉をえらび、カタカナを記入しなさい。

ア:○○○、イ:○○○○○、ウ:○○○○○○

っていうアレね。
問題を解き終えると、解答用紙に私たちへのメッセージが現れたんです。

ア・ト・ニ・ネ・ン
ユ・メ・ヲ・オ・エ

泣きそうになりました。
元々先生のことは好きでしたが、更に忘れられない人に。

受けた優しさを、次の誰かに渡していけば、きっと一瞬でも誰かを幸せな気持ちにすることができる。
もちろん私も看護教員を辞めるとき、最後のテストでメッセージを贈りました。
その内容は…当時の生徒しか知らない秘密ですけどね。
優しさのバトン、誰か受け取ってくれたかしら。

追記:病院のHPが、トップページだけ残っていました。今見ても、とても素敵です。

www.kagawasy-hosp.jp

いちばん好きな歌

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ずいぶん寒くなってきました。
私の庭には散水用の水栓がないので、ちょっとした水やりのために汲み置きをしています。
この前切り戻した秋明菊をそこにつけたことをすっかり忘れてました。
今朝見てみたら水の中で散っていて、その姿が秋の終わりを告げているようで、なんとも美しかったです。

 

この人が歌うなかで、この歌がいちばんすきっていうのありますね。
思いがけずそれがすきな人と一緒だった時。
「ああ、そうなんだ」とじんわりうれしくなる。
この人と私は心を震わせる場所がよく似ているんだなあと。

 

ホースのなか

水が暴れる

青い夏の庭の蛇

下弦の月

目の高さで光るオリオン座

鶏頭の赤

向日葵の黄色

海に洗われた小石

この世界の美しさを

ずっとあなたと見られますように

 

『beauty and harmony』

作詞・作曲:吉田美和

 

もし興味があれば、一度聴いてみて欲しい。
(曲名と同じ名前の、彼女のソロアルバムに収録されていたと思います)
伴奏も何にもない、人の声と美しいメロディとシンプルで短い言葉。
たったこれだけでものすごく多くの複雑な感情を掻き立てることができるんですね。

 

私も自分の表現するもので、いろんな感情を引き出せるそんな存在になりたいなあ。
憧れだったり後悔だったり希う気持ちのような、あなたが忘れているだけで、心の奥のほうに仕舞ってある感情をね。