ヤマトナデシコ

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『大和撫子』

この言葉を聞いたとき、私の頭の中に思い浮かぶ花は 撫子ではなくスミレです。

うつむきがちで可憐なフォルムと深い禁色。「奥ゆかしい」「控えめ」という言葉がこれほどしっくりくる花はありません。しかも性質は強健で、こぼれ種でアスファルトの裂け目でも花を咲かせたりします。スミレのように美しく、強く、奥ゆかしい。そんな女性になりたいものです。

私の亡くなった父は、昭和ヒトケタ生まれの日本男児。私は父が高齢になってから生まれた女の子なので、それはそれはかわいがってもらいました。私がまだ4つの歳の冬、父親に電飾がチカチカ光るクリスマスツリーが欲しい、とねだったことがあります。もちろん買ってはくれましたが、父は「自分からあれが欲しいこれが欲しいと言うものではないよ」と私を諭しました。私はその時幼い子供でしたが、猛烈に自分を恥じたことをしっかりと覚えています。何を時代錯誤な、と笑いますか?

自己を主張することは大切。しかし人から与えられることばかりを考える人間になっていないか。

それは時々、今でも思い返す教訓です。